犬を飼いたい。子供の願いで犬を飼うことになった。犬種が決まっている、あるいは迷っている。あなたはどれに当てはまりますか?
犬を迎えたら、どんな暮らしになるのでしょう。わたしたちも犬もハッピーになるために、そして想定外の問題に驚かないように、あらかじめ知っておきたいこと、準備しておくことに何があるのでしょう。
犬が我が家にやってくる。それはワクワクする楽しみ。犬はかけがえのない素晴らしい時間を作ってくれ、経験した人しかわからない幸せをもたらしてくれます。
と同時に、ひとつの命を預かる責任を飼い主であるわたしたちが覚悟しなくてはなりません。
ここに、わかりやすく犬を迎える前のチェックポイントがありますので、ぜひご家族で確認してみてください。
(新潟市動物愛護センター)
犬には1日2回、子犬なら3−4回に分けてご飯をあげます。子犬は大人の犬に比べて胃袋が小さいので食いだめができません。詳しくは「犬を迎えてから」の章、子犬のところで確認してください。
また、どんな犬種でも必ず毎日お散歩に連れて行きます。あなたのライフスタイルや家族の協力は万全ですか?
子犬から迎えた場合、最初は小さくても数ヶ月であっという間に大きくなります。子犬の6ヶ月は人の12年に匹敵します。
そしていずれ、元気な犬も必ず老いて弱ってきます。
犬は吠えることもあります。トイレをはじめとしたしつけも必要になってきます。
犬を飼う上で、出来ない理由だけにフォーカスする必要はありませんが、この10項目を良く考え、家族で話し合ってみましょう。
また、犬を飼う前の人向けに東京都がまとめた動画があります。
「犬を飼うって素敵です ー か?」ぜひご家族でご覧になってみてください。こちらから>>>
犬を迎えたいとき、選択肢はいくつかあります。
犬種についてはこの次の項目で触れますが、ここでは「どこから」「どんな月齢の犬」について考えてみます。
ブリーダーさんは、特定の犬種の子犬を迎えたい場合に向いています。
親犬の健康と繁殖環境を管理している、しっかりしているところから迎えましょう。子犬の健康を考慮すると、飛行機などで輸送するところはお勧めできません。
ブリーダーさんのところまで見学に行き、環境をご自分の目で確かめて、信頼できる人から子犬を迎えるようにしましょう。
保護犬とは、様々な事情で飼い主がいない犬です。多くの場合は、飼い主に遺棄されて保健所に持ち込まれた犬です。中には子犬もいますが多くの場合が成犬です。そして、人気の高い純血種も多くいます。
保健所から愛護団体が引き出す(レスキューする)ケースが多く、インターネットなどで募集、譲渡会に行ってお見合いをすることができます。
すでに世話をしている人がいるので、犬の性格や健康状態を聞きながら、家族のライフスタイルに合っている犬を迎えることができます。特定の犬種に特化した保護団体もあります。
なお、保護犬団体の多くは新しい飼い主さんに審査を設けているところも多くあります。これは、一度は遺棄された犬が類似した理由で再び不幸な結末を迎えないようにという配慮から来ています。
10年先まで飼育できない心配がある飼い主さんの中には、保護犬の成犬を迎えて大切に慈しんでいる人もいます。また、これまでは不幸だった犬を迎えて幸せにしたいと思う人も保護犬を迎えています。
子犬から迎えたいと願う人は多いと思います。
心身ともに健康な犬と暮らすために、日齢60日(生後2ヶ月)まで母犬、兄弟犬と過ごした後で子犬を迎えるようにしましょう。
犬は日齢42日から60日までの間が社会化を学ぶ最も大切な 生育時期だと言われています。母犬にしつけられ、兄弟犬と毎日じゃれあい、社会化を育んでいきます。
欧米などでは法令化され、8週齢(日齢56日)を超えた犬の販売は禁じられているところがほとんどです。 日本では法令化されていない*ため、ペット流通では8週齢より若くても子犬が競りに出されることも多く、そのあとは箱に入れられて、時には長時間輸送されて店頭に並ぶことになります。
ペット流通の詳細は、「厳選!犬の記事」のペットショップの子犬はどこから – 犬流通の仕組みで、もっと知ることができます。
社会化が充分ではない犬を迎えると、しつけが難しくなる原因にもなります。詳しくは「情報パレット」の何故、8週に満たない犬猫を販売してはいけないので詳しく触れていますので、合わせてお読みください。
知人から子犬を譲り受ける時も、できるだけ8週目過ぎるまでは母犬と一緒に過ごしてもらえるようにしましょう。
犬の中には、人の役に立つ仕事を持つ犬もいます。
盲導犬をはじめとした介助犬や、災害時に派遣される災害救助犬などは街中やテレビでご覧になったことがありませんか?
盲導犬や介助犬、聴導犬は、視覚などの障害者の助けとなるよう訓練される前の子犬のときに一般家庭で飼育されます。これは人間を大好きになるための事前訓練で、この時に候補の子犬を1年だけ飼う人をパピーウォーカーと言います。
1年経ってから盲導犬、介助犬、聴導犬の候補犬たちはパピーウォーカーの家庭から巣立ち、訓練に入ります。訓練の後、すべての犬が合格するわけではありません。試験に合格しなかった犬は、家庭犬として「キャリアチェンジ」します。
このように、仕事を持つ犬の育成を助けるボランティアになることで、犬を迎えることもできます。子犬のうちの1年間だけ飼育するパピーウォーカー、そしてキャリアチェンジ犬を迎える。あるいはお仕事から引退した犬を迎える選択肢もあります。
※日本聴導犬推進協会のパピーウォーカー、キャリアチェンジ犬を引き受けるボランティア募集サイトは、こちらから。
など犬種にこだわる場合は、理由は様々でしょう。
犬種についてインターネットで検索すると、さまざまな情報に溢れています。
大切なポイントは、犬種別には傾向はあっても最終的には個体別の違いがある、ということです。
「大きくなりません」「吠えません」と言われたのに、大きくなった、吠える。
とはよく聞く話です。とどのつまり、迎えてみて一緒に暮らしてみないとわからないことが多くあります。
それでもいのちを迎えたら、もう「うちの仔」です。終生慈しんで大事に飼育する責任があります。
ここでは犬種を調べる上で気をつける点についてあげたいと思います。
犬は人間が使役目的に従って交配(ブリーディング)してきた歴史があります。
例えば、猟犬は森の中で獲物を追いかけ、ハンターに響き渡る声で吠えるようブリーディングされています。運動量が必要なことと吠える声が大きいことを想定しましょう。
このように犬種がかつてどのような「職業」を持っていたのかを知っておきましょう。
インターネットで調べた時、「飼いやすい」「初心者向き」など安心する言葉ばかりが並び、注意点が書いていない場合。ほかのサイトも調べて、必ず「注意すべき点」もよく読んで理解するようにしましょう。
特に、健康上の注意点やなりやすい疾病は、ブリーディングの歴史と関わっています。住まいの気候やライフスタイルと照らし合わせてみてください。
犬種を調べると、あるいは子犬を販売するスタッフさんに、ある一定以上大きくならない、と言われるかもしれません。ただし、忘れていけないのが、最終的には犬にお個体差が出るということです。
親犬よりも大きく成長する仔犬もいます。
大きくならないようにと願いながら迎えるよりも、その犬の個性を受け入れて大切に飼育する気持ちを持ちましょう。
「あれ?この犬種は活発で運動大好きなはずなのに、おとなしい。」他の同じ犬種を見ても「こうなるはず」という想定を裏切ることもあるかもしれません。
これも個体別の個性。個性として受け入れましょう。
さあ、かけがえのない「うちの仔」を受け入れる準備はOKですか?
ぜひ愛犬とのハッピーで質の高い生活を楽しんでください。
*動物の愛護および管理の法律で犬猫等の繁殖業者による出生後56日を経過しない犬猫の販売のための引渡し(販売業者等に対するものを含む。)・展示の禁止(第22条の5関係) なお、「56日」について、施行後3年間は「45日」と、その後別に法律で定める日までの間は「49日」と読み替える(附則第7条関係)。 と定められています。