愛犬を縦に抱っこしていませんか? | Life with My Dog 犬と暮らす
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愛犬を縦に抱っこしていませんか?

愛犬に麻痺が出る。何が原因なんだろう?

と思うことが起きた時、それがもしかしたらいつもの愛犬の抱っこが引き金だったかもしれない。
少しびっくりしてしまうかもしれませんね。
犬のヘルニア。犬の体が麻痺する可能性が高い怖い病気です。
ヘルニアを発症からすぐに治療を!と言うご紹介した前回の記事、「犬のヘルニアを治す、癒す」に続いて、犬のヘルニア予防法と再発防止法をご紹介します。

ヘルニアの予防だけでなく、シニア犬の飼い主さんや将来愛犬がシニアになっても健やかでいてほしいと願うすべてのご家族に大切な情報です。

当サイト「犬と暮らす」監修の獣医師、石川安津子先生に犬のヘルニア予防についてお聞きしてみました。

まずは日頃の予防チェック項目をどうぞ。

  1. 犬は縦に抱っこせずに横(地面と平行)にしている
  2. 犬は同じくらいの時間、毎日お散歩している
  3. 床は犬が滑らないようなカーペットやマットを敷いている
  4. 犬が太りすぎないように適正体重を心がけている
  5. お散歩のリードは首輪ではなくハーネスにつけている

5つの項目でいくつチェックが当てはまりましたか?さあ、詳しい解説を読んでみましょう。

 

1)犬の抱っこの仕方によって脊髄に負担をかけているかもしれない

まずは冒頭でご紹介した愛犬の抱っこの仕方。人間の赤ちゃんのように縦抱っこしていませんか?

愛犬の写真を自分と並んで可愛く撮りたいと思って縦に抱っこしてしまいますが、実はこれ椎間板に負担をかけてしまいます。
それではどんな抱っこなら安全なのでしょう?
それは、犬の背骨全体に重心がバランスよくなるような、横向き(床と胴体が平行になる)抱っこです!

ちょっと抱っこしにくい… そう思いませんか?
うちのワンコは小型犬で軽いから気にしなくてもいいよね。ヘルニアになったことないし。

そうかもしれませんが、犬の骨格は引力に対して縦になる構造ではないことは確か。知っておいて気にするだけでも違いますね。

もし、あなたの愛犬が一度でもヘルニアになったことがあったなら。もしももう高齢ならば… 縦抱っこはやめましょう!
横の抱っこに切り替えて愛犬の楽な姿勢にしてあげましょう。

 

2)犬に適度な運動を。でもヘルニアなのに?

犬のヘルニアを予防するためにまっさきにあげられるのが人間でもいわれている背骨の周りなどの筋肉をつけること。 でもどうやって???って思いますよね。

「適度な運動」という表現がよく使われます。
何が適度なのかはその犬の普段の生活からか判断しましょう。まったくお散歩に行かない子ならまずお散歩に行って歩くことから。お散歩に行っている子はお散歩を1日数回毎日行ってあげること・・などのように。その際は普通に歩くだけでなくジグザグに歩いてみたり棒の上をまたがせてみたりもよいですね。

ただし犬の階段や急な坂の昇り降りは厳禁ですので、やらないようにしましょう。

犬のお散歩で注意したいこと。
愛犬のお散歩は、ウィークデイだとお仕事があってほとんどかまってあげられないからって休日だけ公園に行ったりして犬にたくさん運動させていませんか? 実は、これも逆効果です。
愛犬のお散歩は、毎日少しずつ回数を多くが理想です。

 

3)犬の居場所・環境を変える

犬の暮らしている環境を見直してヘルニアを予防します。

当然ですがフローリングの床は犬にとって滑って負担になります。今は犬用の洗えるカーペットや汚れたところだけ洗えるジョイントマットなど結構安価でいろいろあります。犬が普段生活する場所はこれらを敷いてあげましょう。

犬がジャンプしないほうがよいので、ソファー等に乗りたがる犬は階段のようなものをつけてあげます。そして、犬の階段の昇り降りはさせないように気をつけます。

 

4)犬の体重に気をつける

犬の生活面では当然ですが肥満は大敵です。愛犬の適性よりも重すぎる体重は椎間板に負担をかけて、ヘルニアの原因になってしまいます。

愛犬が太っているかいないか、チェックする方法をご存知ですか?犬の腰にくびれがあるかどうか(くびれが全くないのは肥満!)など、目安があります。

一番わかりやすいのは、実際に愛犬の体に触ってチェックする方法です。犬の背骨や胸の骨(肋骨)があるあたりをを触ってみてください。

  1. 骨が触れるならOKです。
  2. 力を入れないとさわれないのは要注意。
  3. まったくわからないのはあきらかに肥満です!

 

5)お散歩のリードは首輪ではなくハーネスに

犬の首の骨はとても長く、決して頑丈ではないことは意外に知られていないようです。

そしてその骨は背骨につながり、その背骨の中には脊髄が通っています。
首輪だけにリードをつなげてお散歩の時に強く引っ張ると背骨に強い圧がかかり、ヘルニアの原因になります。

よくフレキシリードを首輪につなげて、愛犬が行って欲しくない方向に駆け出した途端、ピッ!と伸びていたリードを阻止する飼い主さんを見かけます。

愛犬はびくん!と首を引っ張られ、

この瞬間脊髄に与えるダメージはとても大きいのです。伸びるリード、実は危険です。

おしゃれなハーネスとリードのセットもありますよ!
愛犬の健やかな骨格のために、そして椎間板ヘルニアの予防のために、ハーネスと長さの変わらないリードに切り替えることをお勧めします。

大事なのは予防の知識を持っていること!

そんな風に気をつけていてあげても軟骨異栄養種の犬は、いつ何時どんな風に発症するか分からない面があります。
何をしても大丈夫なコもいれば、残念ながらどんなに気をつけていても発症してしまうコもいます。それでも飼い主さんが知識をもっているかいないかで愛犬への対応と発症度合いに大きな違いが出てきます。

軟骨異栄養種の犬の飼い主さん、シニア犬の飼い主さん、日ごろから予防のためのあれこれ やってみましょうね!

犬のヘルニア基礎知識、軟骨異栄養種の犬はじめなりやすい犬種などについて書かれたオリジナル記事「犬のヘルニアを治す、癒す」は、こちらから>>>>>


抱っこだけでなく、お散歩も。
犬の骨格を知らず知らず痛めていないのか知りたい方は、しつけトレーナーさんにご相談することもお勧めします。
眼から鱗の情報で、愛犬との生活がますます楽しくなりますよ。

詳しくは、→「犬のプロに相談」をクリック!

 

本文:「犬と暮らす」武田裕美子

獣医学記述と監修:獣医師 石川安津子

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