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「老犬の認知症予防 今からしておくべきこと」石川先生のお勧め

老犬介護の前に、自分の愛犬の老後がどんなふうになるのか・・
少しでもよい老後を送らせてあげたいと思うのは誰しも同じだと思います。そのためにも思っているだけでなく10才を超えたらしておいてあげたほうがよい事をあげてみました。

 

*もう認知症かな?と思う飼い主さんは、文末をご参照ください。


さて 老犬ですが認知症ではありません、という診断であったら、予防のために以下のこと さっそく始めてみましょう。

1 食べ物を考える

老化を遅らせる
「抗酸化作用」とか「フリーラジカル」という言葉をなんとなく聞いたことがあるかと思います。なんとなく老化に関係あるみたい・・そうです、体は酸化作用によって老化が進むことがわかっています。その酸化が進むのを押さえる作用が「抗酸化作用」です。

サプリ
この「抗酸化作用」をうたっているシニア用のドッグフードや抗酸化物質のサプリメントを与えるという方法があります。人間のサプリでもよく聞くDHE、ビタミンE、コエンザイムQ10などで犬用の製品が数多くあります。

手作り食
サプリ以外にも手作り食を考える方もいらっしゃると思います。
どちらかと言えば愛犬の健康を考えて手作り食に切り替えるのは老犬の時代に入る前のほうがよいかなと思います。これはこの先「注意点」で述べるように、切替時の体の負担を考えてのことです。

 

手作り食までいかなくても東洋医学にのっとって動物にも薬膳をというやり方もあります。最初は旬の食べ物のトッピングからというように、取り入れやすいかもしれません。犬にあげても安全な食材については、「犬と暮らすための知識〜犬は人間と違う」内にある、「犬にあげてはいけない人間の食べ物」をご参照下さい。

注意点
フードを新しくする時はまず1/4~1/3程度混ぜ、大丈夫なことを確かめてから徐々に切り替えます。老犬になると消化機能が衰えてくることを忘れてはいけません!
今まで食べていたフードを急に替えると下痢を起こすことが多々あります。若い時は体がうまく調整してくれるのですが、老犬になるとそうは急に対応できないからです。

愛犬に合ったものを
食べ物については考えていくと、そしてネットで調べると本当に様々なやり方・考え方がります。
鵜呑みせず、老犬期に入る前からじっくりご自分と愛犬にあったやり方を考えて試していただければ、認知の症状が出たとしても慌てずにすむのではないかと思っています。


2 脳を刺激する事を考える 

犬が老犬になると、人と犬・お互いのライフスタイルが確立していて生活がワンパターンになりがちです。また犬は若い頃と比べて甘えてくることや人との関わりを求めることも減ってきます。
だからこそ老犬になってきたら意識して一緒に遊ぶ時間を作って欲しいと思います。遊ぶことは脳を刺激すること=認知症の予防になること、人も犬も一緒です。

★ おもちゃで遊ぼう

 

老犬におもちゃ
おもちゃに興味を示さなくなってくるのは当たり前。そんな時は本能である食欲を利用します。転がるとフードが出てくる知育トイと呼ばれるものを利用します。でも老犬はあきらめが早いので、ちょっと転がったらすぐに出てくるタイプから始めるとよいでしょう。

身近なもので遊ぼう
わざわざ買わなくても、ペットボトルやガチャの入れ物にライターで穴を開け、中にフードを入れて手作りトイも可能です。ただし壊して欠片を飲み込まないよう初めて与える時は見ていてあげてくださいね。

ボールで持ってこいができるのなら、ボールにチーズや肉汁など美味しいもののにおいをつけてあげると興味が倍増します。何個か用意して、順番に投げてあげると良いですね。

★ トリックを教える

トリックは一発芸のようなものを言います。「おすわり」や「お手」もトリックです。新しいトリックを教えてあげることはとても脳の刺激になります。そう、老犬でも新しいことを教えることができるんです!

初めて教える方・・ 教え方はこちら → 子犬のへや

★ においで刺激する

 

犬といえば嗅覚! 
視覚・聴覚が衰えても嗅覚は最後まで残っていることが多いです。その嗅覚を使った遊びやゲームを取り入れるのも良いでしょう。

さっと遊べる方法
気軽にできるのが、「どっちの手に入っているか?」。オヤツを1個右手か左手かどちらの手に隠しているか探させる遊びです。

宝探し
小さな段ボール箱を何個か用意しその何処かに食べ物を隠します。最初はチーズなど匂いの強いものがよいでしょう。隠したら箱をかき混ぜて犬に探してもらいます。慣れてきたら食べ物を先程の知育トイに入れて隠せばもっと楽しいかもしれません。

本格的には「ノーズワーク」というきちんとしたやり方がありますよ。
老犬でも楽しめるので興味のある方はこちらまでお問い合わせください。

若い頃はいろいろ遊んだりトリックを教えたりした方も多いと思います。
老犬期に入るとなぜかそういった時間を作るのを忘れがち・・。老犬期に入ったらもう一度昔を思い出して犬と過ごす時間を減らさないようにしてあげたいですね。


3 体への働きかけを考える

精神面への働きかけで遊ぶことをお勧めしましたが、体への働きかけも認知症予防に役立ちます。

★身体の手入れになれさせる

 

これは認知症の予防というより、すべての老犬にやってあげたいことです。高齢になって足腰が弱り最後は寝たきりになることもあります。当然下の世話や体を拭いてあげたりして清潔に過ごさせてあげる必要性が出てきます。

触られるのを嫌がる!
・・・が!足先や口のまわり・お尻まわりは犬にとっては触ってほしくない場所ベスト3。 だから老犬になる前の今のうちに触られることがストレスにならない様に慣れさせてあげておくほうがよいですね。触られるのが嫌な犬は、まずそこの場所ズバリを触るのではなく大丈夫なところから始めます。

気のせい?作戦
例えば足先がキライなら、背中や肩をなでてからサラ!っと前足に流すように触れます。そしてほめてあげてごほうびをあげたり遊んであげたりします。
サラッと前足に触るのに慣れてきたら、サラッと前足の先まで流すように触れてごほうびをあげます。こんな感じで、嫌がらせないように少しずつ慣らしていきます。

嫌なことを我慢させるのではなく、「このくらいならいいかな?」って愛犬に聞きながら進めていくイメージです。ちょっと面倒かもしれませんが、やっていてあげてよかった!と思う日がきっときます。

★適度な運動 体のバランス

老犬になってもお散歩は欠かせません!

 

歩くことで脳にいろいろな刺激を与える事ができるからです。短時間でもお散歩のコースを毎日変えるだけでもよいですね。

バランスの練習
犬は4本足で歩きますが、前足に重心があるため後ろ足に意識が行き渡らないことがあるようです。それをあえて気づかせるため、例えばはしごのように棒を置いたところを歩かせると4本足をきちんと動かすために脳が総動員されます。

同じようにお散歩で行った公園の車止めなどを利用して、ジグザグ歩きをさせるのもよいでしょう。

簡単にお散歩で取り入れて
こんな風にお散歩でいつもとは少し違う体験を心がけるだけでも違ってくると思います。小型犬だから散歩は必要ないという方もいらっしゃいますが、わたしはそれは可哀想だと思います。

 

*もうすでに認知症かな?

老犬で認知の疑いがある場合はまた別のケアが必要になりますので、認知症の診断をしてみるのもよいでしょう。

これは獣医師の内野富弥先生が作成した診断基準です。認知症の診断基準を10項目に分類し、そしてその中で、認知症の特徴的な変化や症状、行動の点数配分を高くしており、TOTAL100点になるようになっています。
30点以下の場合、普通の老犬、31~49点となると痴呆予備犬、点数が50点以上になると、認知症の犬という判定基準です。
犬の認知症の診断基準

犬の認知をはじめとした老犬介護については、こちらを参考になさってください。
オリジナル記事「石川先生の老犬の夜鳴き〜試してみたい5つのこと
犬と暮らすための知識「老犬介護
老犬介護に寄り添って相談できるプロ「老犬ケアについて知りたい

 

 

老犬になり寝たきりになっても、犬は外に出ると目の輝きが違ってくることも多いです。
幸せな老後のため、お散歩は最後まで連れて行ってあげたいものです。

 

本文:獣医師 石川安津子




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