犬の反抗期? 吠える噛むに2度と悩まないために | Life with My Dog 犬と暮らす
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犬の反抗期? 吠える噛むに2度と悩まないために


反抗?と思ってしまう 可愛いのに


犬の反抗期ってありますか?

犬が最近、反抗するようになって。
前はいい子だったのに。と、よく聞きます。

可愛い犬を家族に迎えたら、思い描いていた楽しい生活が続くと思っていたのにと、こんな訴えを聞きます。

「暴れるから体が痣だらけです。」

「猛獣みたいに豹変して噛みつかれました。しかも血が出ました。」

ご家族に小さいお子さんや高齢者がいらっしゃる場合、悩みは深刻になっていくと思います。

犬の反抗期というものは、実はありません!
犬が人間の言うことを聞かない。人間の生活に迷惑をかける。
人間の体を痛める行為をする。これがまるで10代の人間にある反抗期みたいに見えます。
しかも犬ですから、鋭い歯で噛まれたら血も出ます。


犬の鋭い歯で流血、時には縫うほど怪我をする

このままでいてもまず直ることがなく、犬が「反抗」して噛みつくことが定着してしまっては大変!
そこで、しつけです。もう犬が反抗しているかのような行動を止めないといけません。

 

犬の失敗談:答えはしつけトレーナー、だったのに
(いましつけトレーナーさんを探したい人は犬のプロに相談へ)


犬の反抗期だ!と思い込んだことがあります。

犬には反抗期などないことも知らなかった頃。実は主宰もかつて、子犬期だった愛犬が暴れる、言うことを聞かない、甘噛みをしてくる、で悩みました。「犬と暮らす」を立ち上げるずっと前です。

初めての犬ではなかったので、前の犬との違いにびっくりしました。
こんなはずではなかった。

でも、犬の反抗は困る。

本に書いてあることや犬の雑誌、ネットで書いてあることを真似して実践してみました。
驚くことに、「犬の反抗」と書いてある専門情報はたくさんありました。

そして書いてある通りに実行してみる。直らない。体は成長してくる。
「反抗」はますますエスカレート。悩んで行き着いた結論が

しつけのトレーナーになんとかしてもらう!

でした。

犬のしつけはプロのトレーナーに任せよう、と思ってネットで近所を調べました。




通える距離、犬の反抗期をピタリと直すことができる、そんな実績のあるプロのしつけトレーナー。
行きました。

そして、失敗に終わりました。

そこまできて初めて、周囲の犬の飼育経験が豊かで長い、複数の人たちにじっくりと相談したのです。

そして参考になったのが、
「犬のしつけで預けっぱなしのところはトレーナーさんの言うことは聞いても、
飼い主の言うことを聞くようにはならない。だから一緒に習う方がいい」

「子犬の時期は元気過ぎて手に負えないから、私はまずパピー教室に行った」

直接知っている人たちとの会話からたくさん学ぶことができたのです。

犬の「反抗期」(本当は違った)、なぜこんなに遠回りをしてしまったのでしょう。

(すぐしつけトレーナーさんについて知りたい人へ:記事の最後には「失敗しないしつけトレーナーさんの選び方」があります)

 

犬の困った!に忙しい大人が陥りやすい落とし穴
犬の飼い方で困っていることを直接知り合いに聞くことで、大きく前進しました。

良かったのは、
1. ネット検索と違い会話なので、自分の事情を伝えやすい
2. 犬について会話中に思いついた疑問もどんどん聞ける
3. 本当に愛犬の困った(反抗的な)行動を治すリアルな道筋が見えてくる



ではなぜ、本当に解決につながる道を私たちは選ばないのでしょう?


犬の「反抗」に困っている大人の陥りやすい罠とは、


1. 忙しいから時間をかけられない
2. 誰かに「教わる」前に自分でなんとかしようと思う
3. 上記1. 2. の理由に経済的な理由も加わり「プロによるしつけ」という解決策までいかない

犬のしつけをプロに依頼しない大人の理由、まずは忙しいから。
犬の経験が長い知り合いと「元気?」くらいの会話はしても、じっくり聞くことはしないかもしれません。
相手も(自分も!)忙しいから、わざわざ直接約束して会う、もしくは電話でじっくり話すのは申し訳ない。

しかし、忙しいからと時が過ぎて行っても、犬の困った行動は自動的になくなるものではありません。

むしろ、深刻になっていく、改善しにくくなって行くことがほとんどです!

犬のしつけを「教わる」ことへの意識の持ち方も、行動に移さない理由にあります。
大人になって、もう人から何かを教わることがなくなって何年も経っていると、無意識のうちに人に何かを教えてもらうことのハードルが高くなってきます。
特に、職場では人に教えることもある、あるいは上司という立場だと、こう思っていませんか?

「こんなことを分からないのは自分だけではないか。人に聞く前に、まずは自分でなんとかしよう。」

これを犬のしつけに当てはめると、

「犬が反抗するなんて、うちだけではないか。自分でなんとかしよう。」

犬のことで困っているのに、リアルな解決策へと踏み込まない、さらにもう一つの背景。
その根底にあるのは、犬のことで「しつけ」という時間とお金をかけることの意識がない、発想が沸かない、優先順位が高くない、ということが挙げられると思います。

それは、周囲に犬のしつけをしている知り合いがいない(そもそもそこまで深い会話をしていない)。
前の犬には必要がなかった、経済的にできない、などの理由が挙げられるようです。

 

犬のしつけへの意識を阻む「お利口さん犬」のイメージ

犬の反抗だと感じて困っているのに、思い切った行動に移しにくい理由の根底にあるのは、メディアなどで見かけるお利口さんにしている犬から植え付けられてしまった強い印象でしょう。


お利口さんのワンコと外出 は素敵

犬のお散歩をしている人、メディアで見る犬。お利口さんで人の言うことを聞いている犬の姿を見て、

「自分も犬と暮らしたい」

そう思って迎えたご家族は少なくないと思います。実際、迎える前に「飼いやすい犬」を調べた方も中にはいらっしゃると思います。

可愛い犬がやってきた!と思っていたのに

まさかの「反抗」

「犬を飼うのがこんなに大変だったとは」と嘆きつつ誰にも言えない。

二つ目としては、以前の犬にはしつけをしたことがなかった、あるいは自分流でしつけをしてうまく行った自信。
犬にしつけをしなくても困った経験がなかった。そんな背景があるのではないでしょうか。

犬を迎える心と経済の準備として、フード代、医療費、お散歩、様々な備品、その上さらに「しつけ」というものがあるとは。
そこにお金と時間をかけるとは想定していなかった。そんなご家族は意外に多いのではないでしょうか。

 

犬には反抗期があるからしつけは当たり前?
そもそも、犬を迎える時に「しつけ教室に行った方がいいですよ」などと言われることが少ないのではないでしょうか。
また、「飼いやすい犬種」を調べておいたので、大丈夫だと思ったのよ〜と言う話もよく聞きます。

「最初からお利口さんの犬」も聞きますよね!「お利口さん」の犬とは、ヒト目線なので言い換えますと…
「通常の生活に支障が出る」レベルまで「反抗」しない犬もいます。


この可愛い柴犬 特有の気質をご存知ですか?

人気が高いけれど「飼いやすい犬」としてなかなか挙がってこない柴犬。犬のプロの中には初心者には向かない、とさえ言われている犬種です。それでも中には、大変ではなかった、というケースがあります。

「え?うちはしつけ教室なんて行かなかったけど。」

なんて言われてしまうと、

「やっぱり必要ないよね」

と思ってしまいます。

このように、犬には犬種を超えた個体差があります。
特に、子犬から迎えた場合、反抗期?と思ってしまう時期があるものとして心と時間と経済的な準備をしておくことをお勧めします。

 

反抗?と思える犬の行動について専門的な知識

犬の困った行動について、ここで専門的な知識を押さえておきたいと思います。
当サイト犬と暮らすための知識、内のメニュー、「犬を迎えてから」(←をクリック!)
に詳しく書いてありますが、「犬と暮らす」監修の獣医師石川安津子先生の文章を抜粋すると、

「子犬は3ヶ月を超えた頃から、人間で言う「反抗期」?のようになります。
しかし犬には反抗期はありませんから、ここからは「反抗期」とは呼ばないことにします。
なんだか言うことを聞いてくれない、困ったちゃんになってきた!と私たちが感じる行動に出るようになるのです。

そして、6ヶ月の頃、子犬は急速に体が発育し、永久歯が生え始めます。また、活動や興奮性が増すと言われています。
しつけをすることが難しい時期だとも言われています。」
(続きは、「犬と暮らす〜犬と暮らすための知識、内のメニュー、「犬を迎えてから」」


パピー教室

石川獣医師は、「子犬困ったちゃん」時代の乗り越え方として、やはりパピー教室を初めとしたしつけ教室を挙げておられます。

犬の反抗だと感じる行動をよく理解した経験豊かなしつけトレーナさんに頼ることで、飼い主さんも精神的に楽になります!とお勧めしています。

犬の困った行動をピタリと止める。
犬の行動に2度と悩みたくない。

現に「反抗的」と感じて困っている犬と毎日過ごしているうちに、奇跡が起きることを信じるよりも、答えは「しつけ」のプロに頼んで一緒に取り組むこと!です。

 

失敗しないしつけトレーナーさんの選び方 〜飼い主目線〜
犬の、反抗期みたいな悩みを、いよいよ止める行動に出ましょう。

愛犬との楽しくハッピーな暮らしを実現するために、以下のポイントを参考に良いしつけトレーナーさんを探しましょう。


1. 自分が通える距離か?あるいは自宅や近所まで出張してくれるか?
2. 自分と気が合い、信頼することができそうか?
3. どんな所で勉強し、どのくらいの経験があるのかをチェック
4. 動物の福祉を大切にしているか 〜犬に苦痛を与えるしつけをしない〜
5. 愛犬とのハッピーな暮らしのために、一定期間しつけのために自分の時間とお金を使う!と覚悟を決めて楽しむ。

1.  自分が通える距離か?あるいは自宅や近所まで出張してくれるか? 毎日のスケジュールに、犬のしつけのための時間を取るわけですから、移動時間が長いとそれだけで続かなくなってしまうものです。出張してくださるトレーナーさんもいらっしゃいます。
時間と場所が一番自分の都合に合いそうな人を探しましょう。


2.  自分と気が合い、信頼することができそうか? 大人になった自分が新しい知識とスキルを習得するのですから、相手に好感を持ち、信頼できることは基本です!

また、愛犬もおとうさん、おかあさんが苦手意識を持っている人間には警戒してしまいます。
どのトレーナーさんにするのか決める前に、大切なのはご自分が直接メールや電話などでやりとりをすることです。
1回目はお試しという場合も多いので、まずは事前にやりとりをしてみましょう。


3.  どんな所で勉強し、どのくらいの経験があるのかをチェック ゴールは、犬の反抗(自分たちの生活に困る行動)をストップさせることです。

セレブ、人気、などの評判で選びそうになる方もいらっしゃいますが、肝心なことは結果を出せるかどうかです。

トレーナーさんがどんな勉強をしてきたか、どのくらい経験があるのか、調べましょう。例えば、動物の専門的な学校を卒業しているのか。専門的な学校を卒業していなくても、どれだけ勉強と訓練を積みどこで資格を取った、などの表記があったらその資格元も調べましょう。


4.  動物の福祉を大切にしているか 〜犬に苦痛を与えるしつけをしない〜 「動物の福祉」をご存知ですか? 犬に苦痛やストレスを与えないように配慮ができるしつけトレーナーさんなのかどうかをチェックしましょう。

恐怖や痛みで犬の行動を強制するやり方は、ご自身の心も痛みますし、愛犬とご家族の信頼関係を壊すことにつながりますので、注意しましょう。(参考:「5つの自由(5フリーダム)福祉の基本」公益社団法人 日本動物福祉協会)(犬と暮らすオリジナル記事

「なぜ体罰を勧めない専門家が増えてきているのか」タイトルをクリックしてみてくださいね)


最初のメールや電話でのやりとりの際に、

「どのようにして躾をするのですか?」
「道具を使いますか?」

などと質問をしましょう。
ズバリ「叩くなどの体罰もありますか?」と聞いてみるのもいいでしょう。


5. 愛犬とのハッピーな暮らしのために、一定期間しつけのために自分の時間とお金を使う!と覚悟を決めて楽しむ。 一定期間であり一生ではないのです。自分のスケジュールに愛犬のしつけレッスンの時間入れ、プロに頼むから有料だということを受け入れましょう。あとは楽しみましょう!

 

失敗しないしつけトレーナーさんの選び方 〜獣医師目線〜
最後に動物行動治療の専門医、つまりしつけについて学問的に専門医でありご自身の動物病院で長年しつけ教室もされてきた、石川先生からもお勧めをお聞きしたいと思います。

(以下、石川獣医師からのアドバイスです)
それでは獣医師目線でのトレーナーさんの選び方のポイント、あげさせていただきます。
1. 行動学に基づいた指導をしているか
それを学び続けているか
2. 獣医師の関与する資格を持っているか
3. 動物取扱業の訓練の届を出しているか
4. そして前項目4にもあげられている動物の福祉を大切にしているか
犬目線で物事を考えることをしているか

の4つになります。
なんだか難しい言葉の羅列になってしまったので、もう少しご説明します。

1、 行動学に基づいた指導をしているか 学び続けているか
トレーナーさんに何気なく「トレーナーさんにも勉強会とかセミナーとかあるんですか?」って聞いてみるとよいでしょう。いろいろ学んでいるトレーナーさんは当然のようにもちろんです!と答えてくれるはずです。

犬の行動学も新しい情報が加わることもあります。よりよい指導法もどんどん考案されています。行動学についてしっかりと学んだ方は、当然そういった勉強を続けているはずです。自分のやり方にとらわれず、常に柔軟にかつ進歩し続ける姿勢のトレーナーさんを選びたいものです。

日本ペットドッグトレーナー協会(JPDT)の会員で、毎年のカンファレンスに参加しているトレーナーさんというのも一つの目安かもしれません。

 

2、 獣医師の関与する資格を持っているか
ドッグトレーナーさんの資格は本当に山のようにあります。ネットで調べてみて、獣医師が関与している資格かどうか確認してみるのも一つの手です。 
ただし獣医師といってもすべての獣医師が行動学に詳しいわけではありませんので要注意。
日本獣医動物行動研究会の会員獣医師が関与していれば一番安心です。・・・本当に数が限られてしまうかもしれませんが!

海外の資格を持っている方はなんとなく安心な気がするかもしれませんが、
残念ながら必ずしもそういうわけでもありません。
こちらも国によって資格の内容も変わってきますし、日本の実情に合った指導法を行っているかどうかはわかりません。海外の資格ということを選ぶめやすにしないほうがよいかと思います。

 

3、 動物取扱業の届け出について
法律で犬に関わる仕事をする場合、届け出をしなくてはならないことになっています。
きちんと届け出をしているトレーナーさんを選ぶのは言うまでもない事です。

この届出を出していると、
『第1種動物取扱業登録証』が交付され、これが掲示されているはずです。
この掲示のあるトレーナーさんを選びましょう。

 

4、 動物の福祉~犬の目線で
これは実際のレッスンの見学をぜひなさってみるとよいでしょう。初級などの普通のコースがよいかと思います。

そこでのチェックポイントは
レッスン中の犬が(飼い主の人間が、ではない!)楽しそうにしているか

「楽しそう」というのは、見た目でしっぽを振ってルンルンにみえることだけではありません。
犬が自然体で過ごしている感じがする
犬がお仕事を与えてもらっている(飼い主さんがお話を聞くときは咬むおもちゃを与えるなど犬に配慮している)
トレーナーさんが近づくと喜ぶなど

これが一番簡単なチェック項目かもしれませんね。

家族である愛犬とのハッピーな暮らし。それは愛犬も願っていることです。
人間の社会で共生する上で、困った行動をしてしまうワンちゃん。ぜひ、プロの助けを借りて楽しい毎日を過ごしましょう!

「犬と暮らす」では、安心できるプロのご紹介もしています。
探してみたい方は、「犬のプロに相談」をクリックしてみてください。
日本ペットドッグトレーナー協会(JPDT)会員のトレーナーさんをはじめとしたスキルのあるトレーナーのプロフィールを掲載、皆さんをお繋げします。

 

本文:犬と暮らす主宰 武田裕美子

監修:獣医師 石川安津子


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