子犬がトイレを覚えない! | Life with My Dog 犬と暮らす
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子犬がトイレを覚えない!


子犬がくると嬉しい!

子犬が我が家にやってきた!
そのワクワクの後日が経つにつれ、悩みになりがちなのが子犬のトイレ。

これまで人間しかいなかった部屋。

犬のトイレを置く。
そこで感じるのが、清潔で寛ぐ空間にいきなりトイレを置く違和感。
清潔にしておきたいからトイレをどこに置くか、場所を考えたと思います。


人間なら清潔に保てるけれど…

子犬がさっそくトイレで…いや、うまく行かない!
そして、清潔な床の上に、子犬が水たまりを作る。

犬を初めて迎えた時最初のカルチャーショックは、子犬がトイレではなく床で粗相をすることではないでしょうか。
子犬のトイレ、子犬のしつけ、とばかりにネットで調べたり雑誌や本を買って読んでみませんでしたか。
子犬のトイレについては、「犬と暮らす」でもご紹介しています。
(詳しいトイレのしつけ方法は、こちらからどうぞ。

犬のトイレのしつけ!

子犬、子犬、と書いていますが成犬も同じです。
成犬で迎えた愛犬がトイレができない場合のご家族にも当てはまるのです。

さあ、実践してみましょう。
これですぐ解決となったら…  あなたの子犬ちゃんはすごい!

 

子犬がトイレでできるのは当たり前にあらず


「犬がトイレで用を足すことができる、それ自体すごいことなんです」
と、当サイト監修の獣医師、石川安津子先生はおっしゃいます。

犬のトイレを人間が用意して、そこで必ず用を足すことができるように、
なんてことは、人間社会がヒトとは異なる種である犬に押し付けているようなものです。

そもそも犬は長い長い歴史の中で(人間が犬という種を作り上げてきた中で)
今とは全然違う役割を求められてきました。


犬のお仕事は、例えばこんな感じ

ですから、犬のしつけといえば、

  • 人間が銃で鳥を撃ったら、落ちた場所に行って拾ってきなさい
  • 穴の中に潜って獲物がいたら、聞こえるように吠えなさい
  • 羊を追いかけてはみ出さないよう、吠えて囲い込みなさい
  • 悪者がきたら、吠えて噛み付いて人間を守りなさい


犬のお仕事:吠えて上手に羊たちを誘導できるよ!

と、何百年もかけてそれが得意な犬になるように増やしてきました。
ところが、必ずトイレを使って用を足しなさい、なんて

どの犬の専門書を見ても歴史上教え込んできたとは書いていないようです。
犬にトイレのしつけをする、は比較的新しい教えと言えるのではないでしょうか。

それでも多くのご家庭で、犬は室内トイレでできるようになると言います。
「うちの子犬もできるようになって!」と願うすべての家族とのために、

一体なぜ犬が室内のトイレで用を足せるようになるのかを考えたいと思います。

 

犬がトイレで用を足せるようになる根拠

英国の動物学者でブリストル大学人間動物関係学研究所元所長のジョン・ブラッドショー先生は
著作「犬はあなたをこう見ている」(河出書房)、こう書いています。

犬は、人間の行動をよく観察している。人間に気に入られようとする。


喜んでもらいたいと思っているんだよ〜

つまり、犬はどうすれば人間が喜んでくれるのかを観察する能力に優れていて、
それを実行することができるんですね。

ですから、子犬ではなく成犬でも同じことが言えるのです。
決して人間の支配力や圧力に屈服して従うのではない!が重要ポイントです。

この本でハッキリ否定しているのは、人間が支配者として犬を厳しく管理することです。
誤りとして指摘しているのは「人間が主人」論の根拠として犬が「狼の子孫だから」、とされていることです。
この「犬と狼は同じではない」、はあまりに長くなりますので割愛します。
ご興味のある方は、ぜひこの本をお読みになることをお勧めいたします。

犬のトイレ、について話を戻します。

犬のトイレのしつけとして、「犬と暮らす」が鉄則としてお伝えし続けているのは、

  • 犬が望まない場所で用を足しても、怒らない、声をあげないでください
  • スッと冷静に淡々と掃除をするのみ、にしてください
  • 犬がトイレでちゃんと用を足したら、大袈裟なくらい褒めちぎってください

犬が人間に褒められることを喜ぶなら、叱ることは効果があるのではないか?
と思う人もあるでしょう。
しかし、犬のトイレ失敗の場合は、叱られることで
「用を足すこと」その行為を叱られていると受け止める危険があります。

するとどうなるのか?

隠れてわからないように用を足す。


人間は知らずにうっかり踏んでしまう!
なんていうことにもなりかねません。


犬は単語なら理解する、犬は文章だと複雑すぎる

子供のことを考えみましょう。
何かをして褒められるかな?と思ったら何も言ってもらえない。
別の方法を試してみたら、今度はうんと褒められた!

それだけで、もう褒められる方法を取ろうとします。
何も言ってもらえないやり方はもうしない。
これは、犬も同じなんです。
人間が、ただ無反応でいるだけでも、犬には効果があります。


褒められて大喜びの幼児

さらに根拠を重ねると、犬の知能は大体人間の3歳くらいと言われています。
理屈や論理は理解不能、人間ほどボキャブラリーも豊富ではありません。
犬はある程度単語は理解できます。

犬は自分の名前がわかります。他に、

  • いいこ
  • だめ
  • ご飯よ
  • 待ってね
  • お散歩
    これらの「単語」は理解できるようになります。

また、飼い主が楽しそうに振舞うと犬も嬉しそうにしますね。
犬とスキップ、ダンスするとか、「おいで」と抱っこして「いいこ」と言われるのも喜びませんか?

犬のトイレでできた!
褒めちぎりながらの「いいこ」「おやつよ」
犬に伝える単語と嬉しそうな態度、これは通じます。

反対に犬が犬のトイレでできなかった時。
ぎゃ〜!と大きなリアクション、

「ここでやったらダメと言ったでしょう、なんでできない? 
X X X Xだよね、X X Xだろう!困らせようとしてるだろう!」

長文が続くと犬は理解できない混乱の世界へ。


はーい、わかりません!

感情的な人間の反応を「嬉しいのかな?」「怒ってるみたい?」
など犬なりに解釈するばかり。

あるいは、ヒトはこれは支配力の問題だとばかり「ノー!」と叱りつける。
これでは排泄そのものを否定しているとストレートに解釈してしまいます。

決して、
「その場所でしたからいけないんだな。なるほど、今度はトイレでしよう。」
こんな複雑な理屈は犬には理解できません。

子犬の行動Aの結果:ヒトが無言でせっせと片付けて、ゴシゴシとお掃除する。冷静、犬に特に話しかけもしない。
子犬の行動Bの結果:ヒトが「いいこ」などの短い単語でうんと褒める、オヤツをあげる。犬とハッピーに関わり合う。

自分の行動AとBのどちらの方がヒトを喜ばせているのかな?
犬がトイレでできた時とのコントラストをシンプルかつ明白にすればするほど、
子犬は、行動B(トイレで用を足す)の方がマル
「ここですれば、褒められるしオヤツをもらえる」と覚えるようになるわけです。


犬のトイレ、いつまでもできない!

はい、そのようにしています。
子犬がトイレを失敗しても怒っていません。
冷静に掃除しています。ずっと続けています。


いつまで続く、拭き掃除の日々…

でも、いつまでもできない!!!
そもそも褒めたいと思っても成功しないから、いつ褒めるのだ??

は何を隠そう、主宰がかつてずっと悩んできたことです。
子犬がまたもやトイレ以外のところでやってしまった。
床を拭きながら落ち込みます。
1ヶ月経っても全く進展がない。

犬がトイレしそうになったら、トイレに連れて行け!

そう言われてもわからない。
あるいは、手遅れ。
お母さん犬と一緒にいた時は、できていたと聞いていたのにな〜
お母さん犬から早く離れた子犬でも、トイレができるようになった子もいるのに、

なんでうちの子だけできないんだろう…

冷静に、と言われてもトイレを失敗することが続くとなんだか落ち込む。
すると子犬も悲しそうな目で私を見ていました。
よくわからないなりに、自分がおかあさんをハッピーにしていない、と思っていたのでしょうか。


可愛い子犬との絆もできてきます

会社の同僚にも相談したものです。
「うちは、専業主婦の母がいつも家にいたから。ほとんど母に任せっきりでした。」
と言われてますます絶望したものです。

共働きで、毎日10時間近くもお留守番。
しつける時間は限られる。

子犬が家に来たばかりの時は、予防接種の関係でまだお散歩にも出していませんでした。
そのまま日が経ち、予防接種が済んだらお散歩に出るようになります。
すると、外でしかトイレをできない犬となる。

それもいいかなぁ… そう思っていたのです。


やっぱり外が気持ちいいな〜

ところが、
「外でしかできない子になると、大変。
絶対にトイレはしつけた方がいい!
台風でも大雨でも行かないとならないし、老犬介護も大変になる。」
と、経験者に言われて、焦りが深まったものです。

犬のトイレができない、救いとなったのは

そんな時、救いになった一言がありました。
「うちも悩んだけどね、いつの間にかできるようになったよ」

犬はいつかトイレでできるようになる。そう断言されたことです。

そうか。いつかはできるようになるんだ。
そう思ってから、心の重荷が軽くなったように思います。

愛犬のいたブリーダーさんにも相談をしたのですが、おかあさん犬を子犬から自室で育てたということで、
「おかあさん犬もなかなかできませんでした。
自分の部屋で育てていたのですが、苦労しましたよ」

これまで多くの犬を育てた経験豊富なブリーダーさんでも、犬によって苦労したりしなかったりすると聞いて、
また心の重荷が軽くなりました。

そうだったのか。
よその犬がすぐできるからと言って、比べてごめんね。


ヨシヨシいつかはできるようになるよね!でリラックス

あなたのおかあさんも子犬の時はトイレがなかなか覚えられなかったんだってさ。
と、ヨシヨシ。

そのあとは、不思議なくらい、覚えていません。

いつの間にかできるようになっていました。
一つ言えることは、自分の犬でもよその家の犬でも、
「あ、トイレしたいのではないの?」
とわかるようになったことです。

犬と暮らすようになり、犬を通じて様々な方々と会話をするにつれてだんだんと、
「犬のトイレ」できるようになるには個体差があることがわかります。


子犬のトイレを早くマスターする近道

さて、子犬のトイレ。長く苦労する必要のない近道がありました。

それは、パピー教室という犬のしつけクラスに行くことです。
パピー教室では、トイレのしつけだけではなく、犬の脳の発達段階に合わせた社会性を身につけるとか、トイレ以外のしつけなど、よく勉強をされている犬のプロが総合的に教えてくれます。


先生、よろしくお願いしま〜す

パピー教室に行くことの1番のメリットは、犬が自宅以外の室内でもトイレができるようになることだと思います。
よその室内トイレをマスターすることに始まり、スマートにストレスなくお出かけする方法を習得することができる。
これではないかと思います。

犬のトイレについては、基本の自宅でできる、について述べてきましたが、
他にも「食糞」や、前述の「お出かけ先の室内」などまだまだ悩みは出てくるでしょう。
また、ここでは子犬に焦点を当ててきましたが、病気や高齢化によって、トイレで上手にできなくなってしまう問題が出てきます。

まずは基本のお家でトイレができる犬になれるよう一緒に頑張りましょう。
叱らずに、冷静に掃除。できたらウンと大げさに褒めちぎる。実践してください。
犬には個体差があります。たとえ長くかかっても、必ずできるようになります。
犬が上手にトイレができて、ドヤ顔で出てくる姿は可愛いものです。

本来はできることが凄い!犬のトイレ。

繰り返しますが、成犬も同じです。
ぜひ頑張ってください。


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本文:犬と暮らす主宰 武田裕美子

監修:獣医師 石川安津子




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