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老犬介護

老犬介護

元気でキビキビ動いていた愛犬も、いつかは老犬になってきます。
あれほどヤンチャだったのに、ずいぶん手がかからない大人しい犬になっちゃって…
寂しい気持ちになりますが、シニアになって介護が必要になってくることは、愛する犬と深い絆を結ぶため、神様がくれた最後のプレゼントかもしれませんね。

年を重ね、老犬になってくると、次のような違いが出てきます。

  • 寝てばかりになってくる 眠りがとても深い
  • あまり動こうとしない
  • 後ろ足のふんばりがきかなくなる
  • 視力が低下してくる ~知らない場所に行きたがらない
  • 聴力が低下してくる ~呼んでも気づかない

また、外見の変化も見られるようになります。

  • 毛ツヤが悪くなってくる
  • 毛色が薄くなり、白髪が出てくる
  • 皮膚の弾力がなくなってくる
  • 太っていなくてもダボっとした体型になってくる

犬が高齢になってきても、飼い主さんのケア次第で長生きすることができます。
これまで以上に愛情を注ぎ、少しでも健やかなシニア期を過ごせるようにしてあげましょう。

運動能力の低下

高齢になってくると、足腰が弱って力が入らなくなってきます。それまで簡単に飛ぶことができていた高さも飛べなくなり、1日の中でも寝ていることが多くなってきます。

それでも、外の空気を吸い脳に刺激を与える散歩は大切です。短い時間でもいいですから、犬の状態を見ながら、できるだけ毎日散歩に連れて行くようにしましょう。
散歩は、まだ老犬にならないうちからでも認知症予防になります。

また、歳をとったせいだと思っていても、慢性の関節炎に罹っていることもあります。関節炎はお薬で痛みを取ることができますので、階段を登るのを嫌がる・高い場所の登り降りをしなくなった時は、1回獣医さんに診てもらいましょう。

老犬の食事

老犬になってくると、これまでのように食べることができなくなってきます。歯が弱ってきたり、食欲の変化が起きてくるため、フードを変えたり時には介助する必要が出てきます。
ドライフードもお湯でふやかすなどして、食べやすく消化しやすくする工夫をしましょう。

また首の筋力が弱まり、下を向いて食べるのがつらく飲み込めなくなってきます。食器を下に置くのではなく台の上に置いてあげる、ちょっと角度をつけてあげるなど工夫をすると食べやすくなるでしょう。

さらに老犬は消化する力も弱ってきます。今までより下痢しやすくなったり、逆に腸が働かず便秘になることが往々にしてあります。食欲が急激に落ちた時、食べた後の嘔吐や便秘、下痢が以前より増えてきたと感じる時は、主治医の獣医さんに早めに相談をしましょう。食事内容を変えることが必要だったり、他に病気が隠されていることがあるからです。

トイレの失敗

老犬になってくると、トイレを失敗することも出てきます。足腰が弱って間に合わない、泌尿器系の病気で頻尿になる、など原因は様々です。
決して叱らないでください。
まだ元気なうちに、トイレで成功するとご褒美、のトレーニングを復活させて、嬉々として早めにトイレに向かう犬もいるそうですよ。

部屋のレイアウト変更

加齢により体力が衰えてくる愛犬が過ごしやすいように、家の中のレイアウトを見直してみましょう。
主なチェックポイントは次の通りです。

  • 床は滑りやすくないですか?
  • 段差のある場所が通り道になっていませんか?
  • 階段の上り下りをさせないための対策は?
  • 頻尿に備えるために、トイレの場所を変える必要はありませんか?
  • 視力が弱ってきて危ないものはありませんか?

愛犬が過ごしやすい部屋は、飼い主さんにとってもストレスがなく安心できるレイアウトです。お互いに過ごしやすく暮らせるように、工夫をしてみましょう。

脳を刺激する!楽しいあれこれ

しつけは若い時と思いがちですが、年をとってからも刺激が必要です!
認知症の予防のためにも取り入れてみませんか。

普段のお散歩で

ジグザグ歩き(公園などにあるポールや車止めの間を歩きます)
後ろ向き歩き(狭い場所で向き合って人が進むと犬は後ろ向きになるく事になります)
ゆっくり歩く(普通に歩くよりバランス感覚が必要になります)などで弱ってくる後ろ足の筋肉に意識を向けさせる脳を刺激します

アスファルトだけではなく土・草・砂利道などいろいろな素材の上を歩かせその感触の違いで脳を活性化させるのもよいでしょう。

介護

愛犬の視力や聴力がほぼなくなり、歩くことも難しくなってきたら、飼い主さんの目が届き、介護をしやすい場所を寝床にしてあげましょう。

老犬になっても、飼い主さんはおかあさんであり、おとうさんです。そばにいて安心したいものです。
目が見えず耳が聞こえなくなって、最後の砦の嗅覚でさえ徐々に衰えてきます。飼い主さんが愛情を持ってフォローしてあげたいですね。

目がよく見えず耳が遠くなると、突然体に触れられるととても驚いてビクッと飛び上がることもあります。それはそうですよね。 今までよりも意識して、自分がそばにいることを知らせてあげてから、いろいろなお世話をしてあげるくらいの気持ちが必要です。

もし粗相をするようになったら愛犬が横になる場所は、トイレシーツを敷き、(場合によってはオムツをして)その下には寝心地のいいマットをおきましょう。 寒暖の差に影響がないよう、気をつけてあげましょう。老齢になると体温調節もうまくいかないこともあり、寒さや暑さがこたえるようになります。

愛犬がほとんど寝たきりになると、予防したいのが床ずれです。骨が出っ張っているところが特に皮膚の摩擦ができやすい場所です。2−3時間おきにそうっと介助しながら起こしてあげて、可能な限り少し歩かせましょう。

筋肉を少しでも使うことで、血液やリンパの循環が良くなります。歩行を助けるアシスタントバンドや床ずれ防止用の犬用マットもあります。完全に寝たきりになってしまったら、こうした犬用介護用品もたくさん出ていますので上手に活用してみましょう。

認知症

犬にも加齢により認知症になることがあります。特に柴犬などの日本犬に多いとされていますが洋犬でも認められます。
認知症の主な症状には次のようなものがあります。

  • 慣れた場所や時間がわからない
  • 人や他の動物への接し方が変わる
  • 昼夜が逆転する
  • 「しつけ」を忘れる
  • 目的のない行動が増える

具体的には

  • いつまでも夜鳴きをし続ける  意味なく単調に吠え続ける
  • うろうろと、あるいは円を描くように歩き続ける
  • 方向転換や後ろに戻れず 狭いところに入り込むと自力で出られない
  • 壁の前でぼんやり立ちつくしている
  • トイレ以外のところで失禁する
  • 以前はできていたオスワリなどができなくなる
  • 床に落ちたフードを見つけられない

特に夜鳴きは飼い主さんの負担も大きく、精神的なストレスになります。
このような症状が出た時は、早めに獣医さんに相談しましょう。また詳しいことは、オリジナル記事「石川先生の老犬の夜鳴き〜試してみたい5つのこと」を合わせてお読みください。

仕事で一日中家を空ける飼い主さんには、寝たきりや認知症の愛犬を世話しきれない場合もあるかもしれません。
家族や兄弟に頼める場合は相談しましょう。また、老犬ホームや動物病院に入院させてもらうという選択肢もあります。
愛犬と離れるのは辛いと思いますが、飼い主さんがストレスで苦しむ前に、そして愛犬の最期に悔いを残さないよう、建設的に解決策を検討することをお勧めします。

看取り

愛犬の最期は一緒にいてあげて、看取りたい。飼い主さんの願いだと思います。

看取り方はいろいろな事情によって違うと思います。どのような最後だったとしてもどうしても残った私たちは、もっとこうしてあげればよかった、ああしたらよかったといった思いをかかえてしまいがちです。 でもいつまでもそういった思いにとらわれることは先に旅だった犬は望んでいないはずです。

お別れすることはとても辛いですが、たくさんの感謝を込めて、ありがとう、大好きだったと伝えて旅立たせてあげたいものです。
先に旅立っても私達の心のなかにその犬はずっと一緒に生き続けているのですから。

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