本当に信頼できる犬の情報は獣医師監修 

Life with My Dog 犬と暮らす

犬の吠える悩みを解決したい 〜原因編〜



「吠える」には原因・引き金が必ずあります。
一刻も早く吠える悩みから解放されるために、まずこの原因・引き金を特定することが早道です。

そこで、「犬と暮らす」ではどんな時に吠えるのか?「原因編」からスタートして、愛犬にストレスや痛みを与えないだけでなく、ご家族にも安心できる「吠え」へのアプローチについてご紹介したいと思います。

まずは、いきなり犬の吠えの解決に直結するかもしれない「考え方」から始めたいと思います。
この2つでだけで、もしかしたら吠える悩み解決の近道かもしれません!

(1)原因を「環境」から考える

犬は、何かがあるから吠えます。

吠えるきっかけとなる「何か」をなくすことが解決に繋がりますから、この吠えにつながる「何か」がなんであるのかを、改めてしっかり特定しましょう。そして、吠えの原因となる「なにか」の刺激を減らすために、犬がいる環境を変えることができるかどうかを考えるのです。

環境を変えるとは、例えば、散歩中に他の犬とすれ違うと吠える場合。
これは他の「犬とすれ違う環境」を避ければいいと考えます。相手の犬がまだ遠方にいて、愛犬が気がついて吠える前に横の道に入り、吠えの原因を避けることができるというわけです。

また、カフェや人の多い場所で吠える場合、愛犬は「人が多いという環境」に対して反応し、その結果吠えているわけです。
「ちょっと待って!他のワンちゃんは吠えないのに」と思われるかもしれませんが、愛犬は他のワンちゃんとは違う個性を持っている個体です。
あなたの愛犬が、人の多い場所を刺激と感じて吠えるならば、必要なとき以外は外出先に連れていかないことで環境を変えることができます。
(それでも犬をドッグカフェに連れて行きたい!という方は、「犬とおしゃれなカフェに行きたい!その時愛犬はお利口さん?」タイトルをクリック!してみましょう)

この他、家の前の道路を他の犬が通ると吠えるのであれば、外が見えないように家具の配置を変える・窓ガラスに目隠しを貼るなどして、吠える環境から吠えない環境へと変えます。
あるいは、道路に面した部屋に愛犬を入れないことで吠える悩みはストップしませんか。この方が犬に「吠えないで」と教えるより簡単な場合があります。

都心のマンションなど犬のいる部屋を変える選択肢が限られている場合。
散歩をする犬が外をよく通る時間帯はありませんか?その時間帯を避けるようにするだけで、犬が吠える頻度を減らすことができるのではないでしょうか。

ところが、吠える環境を変えることはできないときが必ずあります。
例えばインターホンがなると吠える、動物病院の待合室で吠える、などなど。吠える原因となる環境を避けて通ることができない場合です。
ズバリ吠えるの解決に行く前に、もう少し原因について読み進めてみてください。


(2)吠えるの度合いと悩み度から考える

次に、そもそも愛犬の吠える度合いはいかばかりなのか、その結果自分はどれだけ困るのか、を考えます。

なぜなら、犬は本来吠える動物です。私たち人間が猟犬として、あるいは番犬として吠えるをお仕事として作り上げてきたのです。犬が吠えることでヒトの役に立つように交配して作り上げてきた歴史があります。
今は家庭犬なので、「撃った獲物はここだよ」と広い森に響き渡るように吠える必要はないのですが。



さて、質問が二つあります。
1)あなたの愛犬が吠えるのは、どのくらいのボリュームでどのくらいの長さ吠え続けるのですか?
2)愛犬が吠えることで起きてくる問題は、具体的にどのようなことで、どれほど深刻なことでしょう。

例えば、お留守番のためにゲージに入れた時。
(A)会話が聞き取れるくらいのボリュームで吠える。1分以内で止まり、そのあとは吠えない。
(B)会話もできないくらいのボリュームで吠える。自分たちが自宅を離れたあとお留守番の最中でも1時間以上吠え続ける。(そしてその結果、ご近所からクレームが!)

今挙げた二つの吠える例ですと「犬の習性だから」と許容できる範囲から、社会生活する上で著しく不都合なレベルまで、というように吠える度合いや困り度が大きく違います。

また、愛犬が吠える悩みや困る理由として「カッコ悪い」「想像するお利口さんな犬とは違う」など、本当は誰にも迷惑をかけていないのに、ご自分だけが悪いことだと思い込んでいるということはありませんか?



「よく考えてみたら困るほどではないか!」ということであれば、吠える動物である愛犬が「少し吠えるくらいはいいか。」と切り替えてみることはできないでしょうか。
そう思って愛犬に目をやってみれば、そこにはあなたをじっと見つめる可愛いお顔…
おおらかに見ることができるならば、なんだか気持ちも楽になってきませんか。

いやいや、吠えると他人に迷惑だし自分たちの生活にも不都合がある!
だからこそ吠えるのスッキリ解決策を知りたい。そんなご家族は、より具体的なアプローチ編で解決アプローチをご紹介します。

 

吠えるを解決したい! 獣医さんの「原因」解説
次に、しつけで悩みを解決するために、臨床経験30年、しつけ教室も長年なさっている獣医師、「犬と暮らす」監修石川安津子先生より、犬の吠えを専門的に解説していただきたいと思います。

<1歳以上を想定した成犬が吠える>、次に<子犬が吠える>、最後に<老犬が吠える>の場合をご紹介いたします。

吠えるを解決したい!<成犬編> ~タイプ別に原因を考える〜

ではまずご自分の愛犬のタイプを把握するところから始めたいと思います。
あなたの愛犬はどのタイプでしょうか。

1. 犬種として、そもそも吠えるようにつくられたタイプ
吠えることを目的に作られた犬種ですから、すぐに吠えて当たり前…ということを知っているとアプローチもしやすくなります。

牧羊犬種…シェルティー 
愛玩種(警戒吠を奨励した)…ポメラニアン、マルチーズ、ヨーキー、ミニピン 
狩猟犬種・・・ビーグル、ダックスフント



2. すぐにスイッチが入りやすいハイパータイプ
性格的に興奮しやすいタイプの犬です。
寝ている時以外は常に動いている、じっとしていることは苦手でどんどん興奮して吠え続けるタイプです。

興奮しやすい犬種・・ヨーキー、ダックスフント、ジャックラッセル、ミニピン、ヨーキー、チワワ


3. ヒマをもてあましている退屈だ~タイプ
飼い主さんが気づきにくいのがこの吠えるタイプ。若い犬や一日中お留守番の犬は犬種に関わらずこのタイプに入ります。


4. 繊細・こわがりぶるぶるタイプ
怖い時自分の身を守るために吠えたり、どうしていいかわからなくなって混乱して吠えちゃうタイプです。
後退りしながら吠えたり飼い主さんに隠れながら吠えたりします。原因がなくなるまで吠え続けます。


5. おねだり上手でなんでも要求タイプ
これも飼い主さんが気づきにくい吠えるタイプです。
自分がどうすれば飼い主さんが自分の要求に答えてくれるか知っていて、実にうまく飼い主さんをコントロールしています。吠えれば要求に答えてくれるのを知っているので要求が叶うまで吠え続けます。

もちろん吠える犬すべてが1~5に当てはまるわけではないですし、複数のタイプを併せ持っていることも多々あります。
タイプ1の犬種でタイプ2でもありタイプ3でもある場合、問題解決に至るにはかなり大変なのは想像できますよね!

 

タイプ別に知っておきたい事・やっておきたい事

1. 吠える犬種タイプ ・・・・生まれつきおしゃべり(吠える)なんだという前提で物事を捉えてあげてください。
なんでも声が先に出てしまうのだから少しぐらいは大目に見てあげましょう。とはいえ5のタイプに移行するのはあっという間です。吠えることは良しとしてそれをどのように変えていくか、アプローチ編で確認しましょう。

2. スイッチタイプ ・・・ ハイパーで興奮しやすい=吠えやすい・吠え続けやすいといえますね。
犬は吠え続けることが快感となり更に吠えがひどくなる事もわかっています。このタイプのワンちゃんはまず飼い主さんがご自分の犬をクールダウンできるようになることが重要です。
吠えた時のクールダウン方法は、次号のアプローチ編でご紹介します!

3. 退屈だタイプ ・・・ これは犬の年齢と人間のライフスタイルによるタイプです。
2歳位まではパワーが有り余っていますから吠えることでパワーを発散させるのは当然です。
さらに、ある程度歳を重ねても一日中お留守番ばかり、散歩もなければお仕事(楽しい遊び)も無ければ退屈で吠えてしまうわけです。

人間側が環境を変えること~ライフスタイルを変えることはなかなか難しいのですが、吠える以外ストレス発散する手立てがない愛犬さんです。ちょっと不憫ですね。
吠えるを改善するための犬側への対処としては「お仕事を増やしてあげること」~犬のお仕事は遊ぶことです。例えば朝の食餌をお仕事にしちゃうことも可能です。詳しくはアプローチ編でご紹介します!

今はペットシッターさんも多くなってきました。安心できるシッターさんにお願いできれば週1回でも大きな違いだと思います。


  
4. 怖がりタイプ ・・・ 自分に自信がない犬は吠えることで身を守ろうとします。
また社会化の時期にいろいろな経験をしなかった犬も、どうしていいかわからずに吠え続けることが多いです。
獣医師として多くの犬と出会い関わってきましたが、母犬から早く離されペットショップに来た犬に、この怖がり吠えるタイプが多く見られます。自信がない様に見えなくてもペットショップで購入した犬はこの吠えるタイプである可能性が高いです。

自信をもたせてあげること・安心させることが最初のアプローチになります。こわがりさんに自信をもたせてあげるのはやはりプロの方にお願いするのが一番安心で近道です。
安心できる犬のトレーナーさんはいらっしゃいますか?「犬と暮らす」内の「犬のプロに相談(この文字をクリック!)」でも安心して相談できるプロを探してみてください。

あなたのワンちゃん、怖がりで自信がなくストレスが掛かりやすい(そして過度に吠える)一生をおくらせますか? それともそれを克服してリラックスすることができる~言い換えれば吠えないで過ごせる幸せな生活をおくらせますか?     

5. おねだり上手タイプ ・・・ 頭の回転が早い犬とも言えますが、たいていの犬は飼い主さんの動きを実によく観察していて、吠えれば注意を引けること・そして自分の要求に答えてもらえることをすぐに覚えます。

吠えるのを止めさせたいために行っていることが実は犬の思いのままになってしまって、気づいた時には犬に振り回されている。それでも吠えてほしくないから要求に従わざるを得ない、なんて事になっているのがこのタイプです。

ある意味飼い主さんがしっかりすることができれば、吠えるへのアプローチは難しくはないかもしれません。

「要求して吠えることに対しては絶対に要求を通さない」
この原則をいかに守れるかが鍵になります。


このタイプの飼い主さんはまず強い信念を持てるかどうか、ぐらついたりしないか、ご自分の意志を確認していただければと思います。


さていかがでしょうか。どの吠えるタイプかわかった上でアプローチするのか知らずにするのかではやはり大きな違いがあります。どのタイプか把握してみてアプローチする前にできることを先にやっておく、それから吠えることに対してアプローチする、それがポイントだとご理解いただけましたでしょうか。


吠えるを解決したい!<子犬編>

一口に子犬と言っても生後3ヶ月なのか1歳に近いのかでは原因・対応が変わってきます。

まずおうちに来たばかりの生後3~4ヶ月の子犬に関して考えてみたいと思います。
この頃の子犬は本能のおもむくまま、要求する時に吠える、というより声を発します。赤ちゃんが泣くのと同じですね。
吠えるよりはキャンキャン鳴くという感じです。
 知らない環境で不安 → 鳴く
 お腹が空いた    → 鳴く
 そばに誰かいてほしい→ 鳴く
そして吠えることで要求がかなえられることをすぐに学習していきます!

そのため子犬を迎えた時はすぐに自分の家のルールをしっかり定めて犬の要求に振り回されないことが必要です。

例えば 夜は一人で寝させたいのなら夜鳴いても側にいかない。
一緒に寝てもよいのであれば一緒の寝室・ベッドで過ごす。
どっちつかずはしないようにしてください。例えば、1、2日吠えても放っておいたのに3日目はかわいそうになってそばに居てあげて、4日めはやっぱり放おっておいて…という優柔不断は避けましょう。

もちろん子犬の要求吠えが、生きる上での要求である場合は無視もちろん無視できません! 暑すぎる・お腹が空いたなどの要求で吠えている時はすぐに対応してあげましょう。

6ヶ月を越えた子犬
さてこのくらいになってくると、鳴く→ 要求吠えに変わってくる犬が多いです。
要求吠えに関しては アプローチ編を御覧ください。

 

吠えるを解決したい!老犬編 

老犬に対しては「老犬の夜鳴き~試してみたい5つのこと」(タイトルをクリック!)で詳しくふれております。具体的なご説明が好評です。

 

次回、「犬の吠える悩みを解決したい〜アプローチ編〜」ではどんな時に吠えるかによって個別のアプローチをご紹介します。

 

本文:犬と暮らす
解説と監修:獣医師 石川安津子

 




Copyright © Life with My Dog 犬と暮らす