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犬とおしゃれなカフェに行きたい! その時愛犬はお利口さん?


ドッグカフェで愛らしい小型犬を膝に乗せていたり、ゆったりと大型犬が飼い主さんの足元で伏せをしている姿はかっこいいですね。
犬を迎える前に、「ドッグカフェのあれです、あれをやりたい」そう思った方も多いのではありませんか?
ところがうちの犬は…ドッグカフェで人が通るだけで、そばに犬が来るだけで、攻撃的に吠え続けるからうるさいし、恥ずかしい。

狭いドッグカフェの中でグイグイ引っ張ってどこかに行こうとするから、コーヒーがこぼれそう!
せっかくの美味しそうなスゥィーツを味わうどころではない。
一体どうしたらいいのやら。ドッグカフェに何度か行っていればよくなって来るのではないか…
そう思いながら、毎回落ち着きのないカフェ滞在になっていませんか?

まず、ドッグカフェで大人しくする犬は、なぜお利口さんでいられるのでしょう。「いずれ慣れたわよ。」「最初からあまり苦労しなかったけど。」と聞きますが、この違いは一体なんなのでしょう。

行動学治療を取り入れている獣医師、石川先生に聞いてみましょう。

 

普段の生活をよく考えてみましょう

石川先生: 「ドッグカフェで吠えてしまうなど落ち着かない犬の場合、

まず普段どんな生活をしているかを考えてみるとよいでしょう。

いつもの生活が家の中ばかり、お散歩も同じコースがほとんど、出会う犬はほとんどいなくていても顔見知りばかり・・・であれば、ドッグカフェのような空間で犬がどんなふうに感じるかなんとなく理解できますよね。
知らない場所・狭い空間、プライベートスペースもなく犬や人がたくさんいる場所に突然置かれて…
緊張するな・興奮するなっていう方が無理です。
一方で、多くの経験を無理なく積んでいる犬は、ドッグカフェに数回通えば大丈夫だったり、最初からゆったり過ごせたりするかもしれません。

もう少し詳しく言えば、知らない場所・狭い空間で見知らぬ犬や人がいる場合に起こる反応は犬の性格と社会化期の過ごし方によっても違っくるんですよ!
我々人間だって、自分の部屋でひとり過ごすのが好きな人もいれば大勢でワイワイやるのが好きな人もいます。
犬だっていろいろな性格があることを忘れてはいけません。
人間の方はドッグカフェが好きでも、犬の方はそうでない事も往々にしてあります。
犬が見せた反応で、このコはこういうタイプなんだ!じゃあそれを尊重してあげてどうしたら心地よく過ごせるか考えてあげよう、という姿勢が大切ですね。」

なるほど。
ドッグカフェに連れていく前に、普段の生活空間や習慣をまず考える必要があったのですね。
また、犬によっても性格の違いもあるということだったのですね。

 一方で、犬の社会性を身につけるためにドッグカフェでも落ち着けるようになった方がいいのではないのですか?

 石川先生: 「社会性の定義にもよるのですが、そもそも何のための社会性でしょうか。
ご自分の行きたいところに連れて行きたいから?
いえいえ、社会性を身につけさせるのは、犬にストレスを与えないためです。」

 

ドッグカフェはいきなり富士山を登るようなもの?

石川先生:「日常生活や一生の間に経験するであろうことが犬にとってストレスになってしまったら可哀想です。
だからそれがストレスにならないようにするため社会性を身につけさせてあげるんですよね。
そして社会性を身に着けさせたいと思うのなら、ドッグカフェはレベルが高すぎます。
山登りを始めるのに最初からエベレストに登る人はいません。最初は低い山から、そして段々とレベルをあげていくと思います。
ドッグカフェはエベレストとまではいかないにしろ富士山くらいのレベルです。

ドッグカフェはレベルが高すぎる! …そうだったのですか。
では練習をさせてから連れて行くことを考えます。

さっそくですが、自分にできることでどんな選択肢があるのでしょう。

石川先生: 「自分の犬の性格に気づいてあげましょう。人が大勢いるところが嫌いじゃないか、狭い空間でじっとしていられるか、知らない犬が気にならないか。

もし人が大勢いるところが嫌いなタイプの犬なら、ドッグカフェにつれていくのは酷だって気がしますよね。はっきり言って、ドッグカフェは止めてあげたほうが愛する犬のためになります。
性格的には大丈夫かなと思うのであれば、先程の例から言えばまず丘を登るところから始めましょう。日常生活と少し違った場所、いつもより知らない人が多い場所に行って、遊んで帰ってくる、そんな機会を増やすことから始めると良いですね。」

いつもと少し違った場所、いつもより知らない人が多い場所ですか。ドッグカフェにいく前に、今度、連れて行くことにしてみます。何か、注意点はないでしょうか。

 

ドッグカフェに慣れさせるしつけ方法

石川先生: 「ドッグカフェに慣れさせるしつけをご自分でなさる場合、

  1. 知らない場所に慣らす
  2. 人混みに慣らす
  3. 知らない犬がたくさんいる場所に慣らす

の3つをひとつずつ別々に少しずつ慣らしていくように注意しましょう。
いきなり、知らない公園・混雑していて人が大勢遊んでいる・犬連れの人もたくさんいるそんな公園に連れて行ってはいけません。
色々な行ったことのない公園に連れて行って遊んであげる、知らない場所に行く機会を増やすなどして慣らす事がひとつ。
次にいつもの散歩コースのそばで少しだけいつもより人がいるかなというところを通る、時間帯を変えていつもより人が大勢いる時間に散歩するなど人に慣らすことがひとつ。

そしていつもより犬が多く散歩する時間帯に散歩したり、行ったことがある公園で犬が多くいる公園に頻繁に行くなど犬に慣れることがひとつ。こんな風にひとつずつ別々にレベルアップしていきましょう。

え!面倒だって思いましたか?」

いえ!面倒だとは思わないですがちょっと自信がない場合もありますね。
ドッグカフェに行く前にうまくいかなかったらどうしよう。また、仕事の合間ですから根気が続くかどうか。

 

もし面倒だと思ったら

石川先生: 「一番早くドッグカフェに行けるようになる方法は、ちょっとだけ(例えば1~2ヶ月)犬のための時間を週1回とってあげて、しつけ方教室などに通うことかもしれません。」

(!)しつけ教室ではドッグカフェでお行儀よくできるレッスンもしているんですか?

石川先生:「ドッグカフェだけではなく、外で他の犬に会ってもお利口さんになれるレッスンをしますよ。私ももうずいぶん長いことレッスンをさせていただいているのですが、初心者向けのクラスでは、吠え続けたり怖がったりで、グループレッスンができないコはたくさんいます。

実例を挙げてみますね。
公園で行っていたレッスンに参加していた柴犬コロ太くん(仮名)は、側に他の犬がいるだけで吠え続けてしまう犬でした。
最初は他の犬達がレッスンをしているはるか彼方、居るかいないかわからないくらい遠くで過ごすだけで、コロ太くんには精一杯でした。

でも最終回の日は、他の犬達のそばまで来て吠えることもなく過ごすことができたんです♪

教室に通うだけで知らない場所・知らない人・知らない犬に対してストレスを最低限に抑えて慣らすことができます。さらに自分の犬の性格まできちんと教えてもらうことができます。
ドッグカフェに行くための教室を探す必要はありません。普通の初心者向けのクラスに参加することで場所・人・犬に対して慣らすことになるからです。

『急がば回れ』 面倒に見えて実は面倒ではない。そう思いませんか?」

ドッグカフェで愛犬がお利口さんにしているためのレッスンには色々な選択肢があるのですね。
普段、ほとんど家の中で家族と一緒にいる時間が長い愛犬。いきなりカフェに行くのはハードルが高いことだったんですね。

自分の犬の性格が、ドッグカフェのような場所に向いているかどうか考える。
時々、普段とは違う場所に連れて行くこと。
それもだんだん慣らして行く。
自分でレッスンする自信がなかったらちょっと時間を作ってしつけ教室に行く。

ドッグカフェで寛ぐことができるようになるためにも、愛犬と自分の生活に一番合う方法を考えてみたいものですね。

 


本文:「犬と暮らす」武田裕美子
アドバイスと監修:獣医師 石川安津子




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