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犬が雷を怖がる

 

 

犬がパニックになってしまう。雷の時も、花火の時も怖がる。

外出先で遠雷が聞こえた時、
うわ!家で留守番している愛犬が大変なことになっているぞ
と心配される飼い主さんは少なくないのではないでしょうか。
犬が雷などの大きな音を怖がって、パニック状態。問題行動を起こしてしまう… 何とか治せないだろうか。
これは、毎年大きな花火大会がある場所の近くに住んでいるご家族の場合も同じ悩みでしょう。

犬はなぜ雷が怖いのでしょう。中には平気な犬もいるのに。また、ずっと平気だったのに老犬になってから雷を怖がるようになった。そんな話も聞きます。

そこで、行動治療をされている獣医師の石川先生に話を聞いてみることにしましょう。
犬が雷を怖がるには理由があるのでしょうか。

雷や花火を怖がる理由
石川先生:人でも雷が好きな人はほとんどいませんよね。同じように突然鳴る大きな雷鳴、稲妻の光、そして気圧が急に変化する感覚そのすべてが犬の五感に刺激を与えるのでしょう。

同じ刺激を受けてもそれを怖いと感じるくらい感受性が強いかどうかは個体差だと思います。

また飼い主の反応によって、さらに犬に不安感を与えてしまう場合もあります
「あ!雷だ! またパニックになるんじゃないか」と飼い主が不安に思うと、それがまた犬にも不安感を与えてしまうのです。段々怖がるようになってきた場合は、そんなこともひとつの要因になっているかもしれません。

確かに!思えば、飼い主が「怖い」と緊張すると犬に伝わるとは、よく聞く話ですね。そうでしたか。
家族が少しでも何かを怖いと感じてしまうことも、犬がパニックになる原因になるのですね。

犬が雷を怖がる時の行動のパターンについても知りたいです。
部屋の隅で震える、呼吸が荒くなりヨダレが止まらないなど。雷のあった日に帰宅すると、不適切な排泄や破壊行動もあります。他にもこのようなパニック症状はあるのでしょうか。

雷などを怖がった時の症状
石川先生:症状の多くが雷だけでなく恐怖を感じた時におきる体の反応です。

お話にあった「歩き回る・震える・よだれを垂らす・隠れる」といったものはどちらかと言えば軽い症状です。
重度の場合、いわゆるパニック状態になります。

  • 隠れたい一心で異常な動きをし、ドアなど破壊してしまう
  • 眼はうつろで正常な反応が出来ない
  • 下痢をしたり吐いてしまったりする

などがみられます。症状の激しさは、飼い主がそばにいる時といないときで違ってくることもあります。多くは飼い主がいないときのほうが症状が重いです。
またクレートなど狭い空間にいると逃げることが出来ないためはげしい症状が出ることもあります。

飼い主としては愛犬のそばに居てあげたいですが、仕事や家族の用事などもあってなかなかできません!クレートに入れるのが良いのかとも思いましたが、却って激しい症状が出てしまうこともあるとは。
それでは、飼い主として何ができるのでしょう?雷の時と、雷がない普段からできることの両方を教えてくださいませんか?

飼い主は何ができるのか
石川先生:まず環境を考えてみましょう。雷の時は、窓のカーテンを閉めたり、テレビ音を大きなボリュームで流したりして雷鳴が聞こえないようにしてみます。


飼い主さんが不安にならないよう楽しい音楽・楽しい番組がお薦めです。怖がっている犬を抱きしめ「大丈夫よ」となだめるのは、逆効果になることが多いので避けたほうがよいでしょう。

普段できることとしては、雷に慣らしていくやり方もあります。雷の音のCDを使います。ボリュームを絞って怖がらないところから始めて段々音を大きくしていきます。CDを鳴らしている時に食餌をあげたり遊んであげたりすることも効果的です。
ただし、雷の音だけ怖がる犬には効果がありますが、稲光や大気圧の変化等に不安を感じている犬にはあまり効果がありません。

パニックになるほどひどい症状が毎回続くの場合は、お薬をあげることも考えたほうがよいでしょう。前もって雷や花火が鳴ることがわかっている時に効果的です。この場合に使うお薬は一過性なので安心です。雷や花火の始まる30~60分前に与えます。私は人間がお酒を飲んだ時のような気分になりますとお話ししています。お酒が入るとささいなことは気にならないですよね。お薬に関しては行動治療を専門としている獣医師にご相談なさることをお勧めします。

実際に克服できたケース
毎年夏に行われる花火大会でパニックをおこすアナちゃん(仮名)というラブラドールMIXの犬がいました。花火大会は日時が決まっているのでお薬を効果的に使いやすいのでお勧めした所、パニックをおこしていたアナちゃんが、少し不安そうにはするけれどパニックを起こさずに過ごせるようになりました。

こんな風に花火に関してはお薬の処方で楽に過ごせるようになった犬が何頭もいます。

 雷が多くない季節でもできることをして、また来たる雷シーズンに備えたいものです。治った、あるいは治らなくてもよくなったケースはありますか?

石川先生:雷恐怖症の犬は、完全に雷を気にしなくすることは難しいですね。それでもパニックを起こさないですむようにはなると思います。特にお薬を使ってあげると落ち着いてくるケースが多いです。難点は、雷がない始める前、少なくとも30分以上前に飲ませなくてはいけないところでしょうか。症状が出てからでは効き目はありません。
飼い主さんがご自分でT-タッチをしたり、サンダーシャツなど効果的に使ったりしてパニックを起こさなくなったトイプードルのマロンくん(仮名)もいました。いろいろ試してそれに行き着いたとおっしゃっていました。自分の犬を一番よく知っているのは飼い主さんだなと思いました。

愛犬のことを一番知っているのは飼い主なんですね。
自信がなくなって、毎回雷が鳴るたびに愛犬が問題行動を起こしてしまうと気が塞ぎそうになってしまいますが、自分たちが諦めないで向き合っていくということでしょうか。
愛犬には、私たち飼い主しかいないですものね。


老犬になると耳が聞こえなくなると言います。もし耳が聞こえなくなったら、音響シャイも治るのでしょうか。

老犬になると音響シャイはどうなる
石川先生:犬が歳を取って雷が怖くなくなった例もあります。

ひどいパニックをおこし何をしてもダメだったとっても怖がりの柴MIXタローくん(仮名)は、15歳を超えた頃からパニックを起こさなくなってきました。
耳が遠くなるだけではなく、老犬になるといろいろな刺激に対する反応も鈍くなってきます。そういった意味で雷の音・光・大気圧の変化の全部に鈍感になってくれたのではと思っています。

音響シャイを完全に治すことは、かなりの高齢にならなくては難しいのかもしれません。

ありがとうございました。

雷で愛犬が落ち着きがなくなると、ついつい「大丈夫よ」なんて言って抱きしめていました。これが逆効果だったとは。
わかっていてもやってしまいそうです!
それでも愛犬が少しでも雷を怖がらないようにする第一歩ならばと心を引き締めないと。

まとめ

  1. 飼い主である私の態度を見直す。穏やかに!
  2. 雷や花火の日はカーテンを閉めて楽しい音楽などを流す
  3. もしも程度が深刻なら行動治療の動物病院を探す
  4. すぐに完治と焦らず気長にいろいろ試してみる
  5. 老犬になって耳が聞こえなくなったら、治るかもしれない

音響シャイで悩む犬仲間と繋がるのも良い考えかもしれません。

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本文:「犬と暮らす」武田裕美子
アドバイスと監修:獣医師 石川安津子




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