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Life with My Dog 犬と暮らす

我が家で愛犬がリラックスすると癒される理由

原始、ヒトは動物がそばでリラックスしているのを見て身の安全を確認できた。
食物を獲得するために遠出をした時、木々に鳥がさえずっていればそこは安全の証。ヒトの筋肉は弛緩し、呼吸もゆったりできる。
その本能は私たちの中にまだ息づいていて、鳥のさえずりや、家で寝そべる愛犬の無防備なお腹を見て「安全の証」として筋肉が弛緩、リラックス、「ああ、癒される」と感じるのだそうです。

冒頭この話からスタートした、2017年6月5日山崎恵子氏によるセミナーワークショップ「どうぶつ・いのちの教育」
ペット研究会「互」主宰の山崎氏は、米国から動物介在活動を取り入れて以来30年間ずっと語り続けてきた専門家で、現在環境省中央環境審議会動物愛護部会審議委員審議委員でもあります。

「動物が子供に与える影響」についてまず、動物がストレスなくリラックスしているのかどうか、から話は進んでいきました。例えば「ふれあい」イベントでは犬や猫、小動物を抱っこしませんか?と子供達を誘います。
知らない人に次か次へと触られ、抱っこされる動物たち。果たしてリラックスしているのでしょうか。
動物がもし緊張や恐怖で震えているなら、初めて小さな動物に触れる子供達が「癒し」を感じることができるのでしょうか。

 この「原始の血」の話に続き、
モチベータートして子供の行動を誘発する動物

  • 身体的発達の補助
  • 言語発達の補助
  • 集中力を促す
  • 社会性を育てる
  • 自尊心を育てる
  • 慈愛の心 

犬と暮らすことで、子供は多くのことを学びます。

大型犬が太い尻尾を力強くブンブン振れば、そばにいる子供はぶつかって倒れます。
ならば犬の尻尾が届くところには立たないようにすることを覚えます。

本を読むことが苦手な子供も、犬がじっと聞いてくれることで音読する勇気と自信がつきます。実際に読書セラピードッグは、人が喋ることを聞こうとする犬の性質を使って吃音などがある子供達の音読練習を助けているのだそうです。

 続いての学びは、Humane Education (他人や動物に対して慈悲の心を持つ教育)

5つのRのうちのひとつに「動物の飼養管理や環境に対する責任」

 身近な例として「動物の命への責任」をどう子供に教えるのか。子供が捨てられた犬を拾ってきてしまった。家では飼うことができない。その時、親としてなんて回答をしますか?

「拾ってきたらその瞬間から命に責任があります」

うちはダメだから、「この犬を迎えてくれるお家を探しましょう」と言うならばいいのですが、「元いたところに捨ててきなさい」と言い放ってしまうことは、命の責任は放棄しても構わない、教えているも同然です。

一方で、子供が「全部面倒を見る」という約束で犬を迎える話も聞きます。
全部面倒を見ることは、子供には限界があります。犬をはじめとした愛玩動物を家族として迎える時、それは成人した大人の責任です。子供には、いろいろあるお世話の中で、一つの作業に責任を持たせることで十分と、山崎氏は言います。

講演の後半では、高校生以上を対象としたヤングアダルトへの教育について山崎氏は触れられました。

アニマル・リテラシー。
リテラシーとは、何かを適切に理解・解釈・分析し、改めて記述・表現することができる力を言います。例えばウェブなどの知識が深いことをITリテラシーがある、などと言います。

山崎氏は、高校や大学でこのアニマル・リテラシーを教育すべく動物の置かれている環境について講演されるそうです。

  • 産業動物
  • 動物園
  • 実験動物
  • 殺処分
  • 伝統文化における動物(闘犬など)

講演後に、ハイティーンの子供達から寄せられる感想は「当たり前のことばかり」だと声に力を込めておっしゃいます。
「嫌がる動物を抱き上げることは虐待ではないのか」
「可哀想という、人の主観ではなく動物のためになるのかを考えるべき」
「メディアから受ける誤解が怖い」、等。
まさにアニマル・リテラシーが身についてこそ発せられる感想ではないでしょうか。

幼い子供と違い、説明すれば理解し判断する力を持っているヤングアダルトです。この世代が成人し大人になっていくことで世の中が少し少し変わっていくことができます。

最後に、

講演を聞いていらした一般飼い主であり母親でもある方の感想をご紹介します。

「講義の内容は私にとって目からウロコの事ばかり!
常々思うところをバッチリと言い得て下さって本当に刺激的でした。
我が家のR(ペット)について、子供達には責任を負わせておりません。なぜなら私達親が飼う覚悟をしたからであって、娘からせがまれただけが理由ではないからです。飼う事の事の重大さは小さな子供に言葉で説明しても分かりませんものね。

また、幼稚園ではモルモットを飼育していた事を思い出しました。子供に掃除やエサやりをさせるのですが、始終モルモットは一匹づつ小さな箱に入れられ蓋をされたまま。お世話をする時だけ出してこられる…なんとも異様な状態に違和感を感じていました。繁殖や衛生上の理由など色々あるのでしょうが、やはりあれはオカシイ!と改めて思いました。

などなど、もっといろんな事に感銘を受けたのですが、全部書ききれません。」

ワークショップのディスカッション・テーマは親である大人をどう教育するのか?でした。
子供と親が考えることで、大人への啓蒙が広がっていくのではないか。
これが参加者全員で導き出したクロージングの一つでした。

 

(2017年6月5日 犬と暮らすセミナー 山崎恵子氏セミナーワークショップ
「どうぶつ・いのちの教育」より)

本文:「犬と暮らす」主宰 武田裕美子

 




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